「転職したいけれど何から始めればいいかわからない」
求人を見るべきか、転職サイトに登録するべきか、それとも先に退職を伝えるべきか。初めての転職では動く順番に迷うと思います。
私は大学病院のICU・CCU・救急救命、クリニック、治験コーディネーター(CRC)、ケアマネジャーと3回働き方を変えてきました。
その経験からお伝えしたいのは、転職活動の最初にやることは求人探しではないということです。
まずは「今の何を変えたいのか」を整理します。ここが曖昧なまま求人を見ても、給料や休日など目につきやすい条件に流されてしまいます。
この記事では看護師が転職を考えたときに行いたい準備を5つに分けて紹介します。
ステップ1:今の職場を辞めたい理由を書き出す
最初になぜ転職したいのかを書き出します。
- 夜勤が体力的につらい
- 急変対応の緊張から離れたい
- 残業が多く家族との時間が取れない
- 通勤時間を短くしたい
- 人間関係に疲れた
- 別の仕事に挑戦したい
きれいに転職理由をまとめる必要はありません。まずは本音をそのまま書いてみてください。
私がICU・救急から働き方を変えた大きな理由は夜勤と急変対応による心身の負担でした。
CRCを退職したときは、仕事内容が嫌だったからではありません。自宅から片道1時間ほどかかり子どもの進学後も続けるのが難しいと考えたからです。
同じ「転職したい」でも、変えたいものはその時々で違います。理由が見えると次の職場に求める条件も見えてきます。
ステップ2:譲れない条件を3つに絞る
次に、転職先に求める条件を書き出します。
給料、休日、通勤時間、夜勤、残業、人間関係、仕事内容。希望を挙げ始めるといくつも出てくると思います。
ただしすべてを満たす職場を探そうとすると、なかなか応募先を決められません。まずは「これだけは譲れない」という条件を3つに絞ります。
例えば子育てと両立したい人なら次のような条件です。
- 夜勤がない
- 通勤時間30分以内
- 子どもの帰宅時間に間に合う、もしくは学童のお迎え◯◯:◯◯に間に合う
私が今のケアマネの仕事を選んだときに重視したのは家族との時間を確保できることと、将来の独立につながる経験を積めることでした。
ステップ3:給料と働く時間を数字で比べる
求人票を見るときは月給だけで判断しないことが大切です。
病棟看護師の給料には夜勤手当や残業代が含まれていることがあります。日勤だけの仕事に転職すれば手取りが下がる可能性があります。
確認したいのは次の項目です。
- 基本給と手当の内訳
- 夜勤をしない場合の手取り
- 賞与の支給実績
- 実際の勤務時間
- 残業や持ち帰り仕事の有無
- 自宅から職場までの通勤時間
- 土日祝日の勤務回数
通勤時間も軽く考えない方がいいと思います。
片道1時間なら往復で毎日2時間です。月に20日勤務すれば、40時間を通勤に使うことになります。
給料だけではなく仕事のために使う時間全体で比べてみると、自分に合った働き方が見えやすくなります。
ステップ4:退職を決める前に求人を見る
希望条件が整理できたら実際の求人を見てみます。
この時点ではまだ応募する必要はありません。
求人を見る目的は今の自分にどのような選択肢があるのかを知ることです。
病院や施設の採用ページ、ハローワーク、eナースセンター、看護師向け転職サイトなど、求人を探す方法はいくつかあります。
病院以外で働きたい場合は検索する職種を広げることも大切です。
- クリニック
- 訪問看護
- 健診
- 介護施設
- CRC
- 企業看護師
- ケアマネジャー
私は病棟を離れてから看護師の経験を活かせる仕事は思っていた以上に多いと知りました。
転職サイトを利用する場合も、担当者にすべてを任せる必要はありません。「夜勤なし」「通勤30分以内」など自分で決めた条件を伝えたうえで求人を紹介してもらいましょう。
関連記事:看護師転職サイトは使わない方がいい?自分で探した私の結論
ステップ5:5年後も続けられるか考える
応募前にもう一つ考えてほしいことがあります。
「この働き方を5年後も続けられるか」ということです。
転職直後は頑張れても夜勤、長時間通勤、残業が続けば年齢や家庭環境の変化によって負担になる可能性があります。
私は病棟では毎年のように辞めたいと思っていましたがCRCは12年間続けられました。急変対応の緊張が少なく仕事の予定が事前にわかる働き方が自分に合っていたからです。
目の前の条件だけでなく、その仕事が自分の将来につながっているかも職場選びの大切な基準です。
まとめ:最初に決めるのは応募先ではなく自分の条件
看護師の転職は次の順番で進めると整理しやすくなります。
- 今の職場を辞めたい理由を書き出す
- 譲れない条件を3つに絞る
- 給料と働く時間を数字で比べる
- 退職前に求人を見て選択肢を知る
- 5年後も続けられるか考える
転職サイトへの登録や応募を急ぐ必要はありません。
まずは「何から離れたいのか」「次の職場で何を得たいのか」を言葉にしてみてください。
条件が決まればたくさんの求人を前にしても迷いにくくなります。
転職はこれまでの看護師経験を捨てることではありません。積み重ねてきた経験を持ったまま、自分に合う働き方へ移ることです。


コメント