「ケアマネの給料は安いのに、なぜ続けるの?」
私はいまパートのケアマネとして週3日働いています。時給は前職より1,000円下がり、手取りは看護師時代より確実に減りました。それでも私がケアマネを続けているのはこの先に主任ケアマネ(主任介護支援専門員)を取って、自分の居宅介護支援事業所を開業するという目標があるからです。
私は都内の大学病院のICU・CCU・救急救命で12年、治験コーディネーター(CRC)として12年働き、2026年からケアマネジャーとして働いています。まだケアマネ1年目。つまりこの記事は「開業した人の成功談」ではなく、これから同じ道を目指す人と一緒に見たい「地図」です。調べたこと、先輩から聞いたこと、私のロードマップを整理してお伝えします。
なぜ「独立」を目指すのか:雇われる働き方の天井を見たから
私がこの目標を持った理由はキャリアの中で「雇われる働き方の天井」を何度も見てきたからです。
病院では役職に就いても役職定年55歳で嘱託になり給料が下がる現実がありました(詳しくは師長・主任になるべき?へ)。定年も、給料も、働き方も、組織の規定が決める。25年働いてたどり着いた結論は最後は「自分で決められる立場」を作りたいということでした。
ケアマネはそれが現実的に可能な資格です。主任ケアマネを取れば自分の事業所を開業できる。定年を決めるのは自分になります(看護師は何歳まで働ける?にも書いた通りです)。
主任ケアマネ(主任介護支援専門員)とは
主任ケアマネはケアマネの上位資格にあたる位置づけで、他のケアマネへの指導・助言や、地域のケアマネジメントの質を高める役割を担います。地域包括支援センターや居宅介護支援事業所で求められる存在です。
そして開業を目指す人にとって重要なのは、居宅介護支援事業所の管理者は主任ケアマネであることが原則とされている点です。つまり、自分の事業所を持ちたければ主任ケアマネはほぼ必須の通過点になります。
主任ケアマネになるための要件
主任ケアマネになるには主任介護支援専門員研修を修了する必要があります。研修を受けるための代表的な要件が、専任のケアマネとしての実務経験が通算5年(60か月)以上であることです(自治体や研修実施機関によって細かい要件・優先順位が異なるので、お住まいの都道府県の実施要項の確認が必須です)。
ここで大事なのは、5年という期間は「待ち時間」ではなく「修行期間」だということ。ケアプランの実務、事業所との関係づくり、地域資源の把握。開業後に必要な力はこの5年(パートなのでさらに日数が必要)で身につけるしかありません。私はいま、その1年目にいます。
居宅介護支援事業所の開業に必要なもの
開業までに必要な主なものを挙げます。
- 法人格:個人事業では指定を受けられないため、株式会社・合同会社・NPO法人などの法人設立が必要です
- 人員基準:管理者(主任ケアマネ)と介護支援専門員の配置。最初は「自分ひとり=管理者兼ケアマネ」でのスタートが多いようです
- 設備基準:事務室、相談スペース、必要な備品など
- 指定申請:事業所所在地の自治体に居宅介護支援事業者の指定申請を行い指定を受けて開業となります
- 運営資金:介護報酬の入金には約2か月のタイムラグがあるため当面の運転資金の準備が必要です
制度の細部は改定されるので実際に動く段階で自治体の最新情報を確認するのが前提ですが、全体像としては「主任ケアマネ+法人+指定申請」が三本柱です。
独立のメリットと見ておくべき現実
メリット
- 定年がない。何歳まで働くかを自分で決められる
- 働き方を自分で設計できる。担当件数、営業時間、休み方
- 収入の上限が「給与」ではなくなる。雇われケアマネの給料の天井を超えられる可能性がある
現実(きれいごと抜き)
- 担当件数には上限があるため1人で開業した場合の売上には天井があります。「開業=すぐ高収入」ではありません
- 利用者さんが来なければ収入ゼロ。地域の病院・事業所との信頼関係という「営業力」が必要です
- 代わりがいない働き方の最終形です。雇われケアマネでも大変だった「担当者がすべて」の重さを経営者として背負うことになります
- 書類・請求業務・運営基準の遵守など経営者としての事務負担が上乗せされます
それでも私がこの道を選ぶのは、同じ「大変さ」なら自分で決めた大変さのほうが納得できると思うからです。
私のロードマップ
いま描いている地図はこうです。
- 1〜5年目(いまここ):パートの居宅ケアマネとして週3日、実務経験を積む。地域の事業所・医療機関との関係を作り、介護・福祉の知識を看護師の経験に上乗せする。実務経験の要件は「通算の従事期間」で数えるためパート勤務の場合のカウント方法は都道府県の要項で確認しておく
- 5年経過後:主任介護支援専門員研修を受講・修了する
- その後:開業資金と事業計画を整え、法人設立→指定申請→開業
看護師25年のキャリアはこの地図の中で「医療連携に強いケアマネ」という強みに変わると考えています。主治医との連携、退院支援、医療依存度の高い利用者さんの受け入れ。看護師出身であることは開業後の差別化にそのまま使えるはずです。
よくある質問(FAQ)
Q. 主任ケアマネはケアマネ資格と何が違うのですか? A. ケアマネ資格の上位に位置づけられる研修修了資格で、他のケアマネへの指導・助言役を担います。居宅介護支援事業所の管理者要件にもなっているため開業を目指すならほぼ必須です。
Q. ケアマネの実務経験5年はどの職場でもカウントされますか? A. 「専任の介護支援専門員としての従事期間」が基本です。要件の詳細は都道府県の研修実施要項で異なる場合があるため、必ずお住まいの自治体の情報を確認してください。
Q. 看護師経験は開業に活きますか? A. 活きると考えています。医療機関との連携や医療依存度の高いケースへの対応は看護師出身ケアマネの明確な強みです。
Q. 開業すれば収入は上がりますか? A. 担当件数に上限があるため1人開業の売上には天井があります。「高収入のため」より「働き方と定年を自分で決めるため」の独立と捉えたほうが実態に合うと思います。
まとめ:給料が安い「今」は独立への投資期間
- ケアマネの給料は安い。でも主任ケアマネ→独立開業という「次」がある
- 主任ケアマネにはケアマネ実務経験5年+研修修了が必要。5年は待ち時間ではなく修行期間
- 開業の三本柱は「主任ケアマネ+法人設立+指定申請」
- 独立は高収入の近道ではなく定年と働き方を自分で決めるための選択
- 看護師出身は「医療連携に強い事業所」という差別化になる
この記事は私自身の進捗に合わせて更新していくつもりです。同じ道を目指す方、一緒に頑張りましょう。
ケアマネのリアルは転職して半年の本音に、給料の実際は看護師の手取りを4つの職場で公開に、資格取得の入口は受験資格の数え方と試験の勉強法に書いています。
あなたの分岐点のヒントになればうれしいです

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