「仕事も子育ても中途半端な気がして毎日申し訳ない」
夜勤明けで眠りたいのに眠れない。子どもの急な発熱で職場に謝る。保育園に長く預けている罪悪感。看護師と子育ての両立に悩む人の多くが「私の頑張りが足りないからだ」と自分を責めていると思います。
先に言わせてください。頑張りが足りないどころか、あなたは頑張りすぎています。
私は都内の大学病院のICU・CCU・救急救命で12年、治験コーディネーター(CRC)として12年、いまはケアマネジャーとして働いています。私は夜勤のある働き方を手放し、主任への打診も断りました。理由はシンプルで自分と家族の時間を大切にしたかったからです。
夜勤明けは眠れない
子どもがいると夜勤は本当に厳しい。まずこの現実から書きます。
夜勤そのもののつらさは独身時代と同じでも決定的に違うのが明けの過ごし方です。夜勤明けが休日だったら子どもは「ママ、ママ」と寄ってきます、当然です。そしてその相手をしていたら眠れないのです。休日でなくても溜まった家事をこなしたり、雑用ですぐに時間が経ってしまいます。
一晩働いた体のまま眠らずに子どもと過ごす。回復しないまま次の勤務が来る。夜勤と子育ての組み合わせは休む時間が構造的に存在しない働き方でした。
罪悪感があなたを「頑張りすぎ」にさせる
もうひとつの正体は罪悪感です。
保育園に長く預けている。日頃一緒にいる時間が短い。だからせめて家にいる時間は全部子どもに使おうとする。夜勤明けでも遊びに付き合い、休みの日は全力で子どもに向き合う。罪悪感の埋め合わせで頑張りすぎてしまい自分のことはいつも二の次になる。
これが看護師ママの両立がつらい本当の構造だと思います。手を抜いているどころか仕事でも家でも全力。倒れないほうがおかしいのです。だからもし今あなたが「私の頑張りが足りない」と思っているなら、それは逆です。
子どもの病気で休む。1日では復活してくれない
病院勤務と子育ての相性がいちばん悪いのが子どもの急な病気です。
子どもが熱を出せば急に休むことになります。シフト制の職場で急に抜ければ周りに迷惑がかかる。その申し訳なさだけでも消耗するのに、子どもの病気は1日では復活してくれません。
数日かかるのが普通で、コロナやインフルエンザなら登園基準の関係で最低5日、発症0日目から数えれば6日休むことになります。1週間近い穴をシフトに開けて職場に頭を下げ続ける。これを年に何度も繰り返すのがママさん看護師の現実です。
鋼のメンタルがあれば乗り切れるかもしれませんが、普通のメンタルの私たちには「急に休んでも迷惑が最小限で済む働き方」を選ぶという解決策のほうが現実的だと思います。
子育てと両立しやすい働き方は ? 4つの職場の実感比較
実際に働いた4つの職場を「子育てとの両立しやすさ」で比べます。
| 職場 | 夜勤 | 勤務の特徴 | 両立のしやすさ(私の実感) |
|---|---|---|---|
| 大学病院(ICU・救急) | 最高月7回 | 不規則シフト・残業あり | 厳しい。明けに眠れず、急な休みの負担も大きい |
| クリニック | 月1回程度 | 土曜は午前半日勤務 | 良い。夜勤も検査入院対応で負担は軽い |
| 治験CRC | 当直月2回程度 | 残業ゼロ・毎日定時帰宅 | 良い。予定が立ち、有給も取りやすい |
| ケアマネ | なし | 規則的・土日休み中心 | 良い。ただし担当制で代わりがいない面はある |
補足します。クリニックの夜勤は月1回、睡眠時無呼吸症候群の検査入院の対応でした。相手は病気の人ではないので病棟の夜勤とは負担がまったく違います。
そしてCRC時代は残業ゼロ、有給100%消化。看護師でこの条件は病棟にいると想像もつかないと思いますが実在する働き方です。お迎えの時間が読める生活は子育て中には何よりの待遇でした。
手取りの実額は看護師の手取りを4つの職場で公開にまとめています。両立と収入はトレードオフなのでセットで見てください。
私の選択:役職より、夜勤手当より、家族の時間
私はキャリアの節目で2回、「家族の時間」を基準に選択しました。
ひとつは主任への打診を断ったこと。役職手当は月1万円でした。1万円と箔のために責任と残業を背負うより、家族との時間を守りたかった(詳しくは師長・主任になるべき?へ)。
もうひとつは夜勤のある働き方を手放したこと。手取りは下がりました。それでも「夜は家にいて朝はちゃんと起きている生活」に変えたことで、体も心も、家庭の空気も変わりました。
どちらも収入面では「損」な選択です。でも後悔はしていません。
病棟に残るなら:制度より「使える空気」を見る
いま病棟にいる方は辞める前に時短勤務、夜勤免除、院内保育、病児保育などの制度も確認してください。制度が整った病院なら病棟に残ったまま負担を減らせる場合があります。
ただ、現場の実感として正直に書くと制度があっても「時短で先に帰る気まずさ」「急な休みへの視線」に消耗する人を何人も見てきました。制度の有無だけでなく気兼ねなく使える空気があるかが本当の分かれ目です。
よくある質問(FAQ)
Q. 子育て中の看護師に一番おすすめの働き方は? A. お迎えと急な休みへの対応で考えると、残業のない日勤中心の職場です。私の経験ではCRC(残業ゼロ・定時帰宅・賞与あり)が、収入とのバランスも含めて子育て期に合う働き方でした。
Q. 子どもの病気で休みがちです。職場に居づらいのですが。 A. コロナやインフルなら5〜6日の休みになるのは制度上の必然で、あなたの落ち度ではありません。それでも居づらさが続くなら少人数シフト制の職場より、担当業務を調整しやすい職場への転職も選択肢です。
Q. 夜勤を辞めると収入はどれくらい下がりますか? A. 下がる正体はほぼ夜勤手当と残業代です。私の実例では夜勤ありの病棟で手取り40万円、夜勤のないクリニックで28万円でした。
Q. 家庭を理由に転職するのは逃げですか? A. 逃げではありません。私は役職も夜勤手当も手放して家族の時間を選びましたが、後悔していません。何を優先するかは人生の設計の問題です。
まとめ:両立は「根性」ではなく「設計」
- 夜勤×子育ては、明けに眠れない・休む時間が存在しない働き方。つらくて当然
- 罪悪感で頑張りすぎて自分が二の次になっていないかをまず見てほしい
- 子どもの病気は1日で治らない。コロナ・インフルなら最低5〜6日。急な休みに強い職場かどうかが鍵
- 両立しやすさは「夜勤の有無」「残業の有無」「勤務の規則性」で決まる。残業ゼロ・定時帰宅の看護師の仕事は実在する
- 収入と時間はトレードオフ。私は時間を選び後悔していない
仕事も子育ても大事だからこそ、両立は気合いで乗り切るものではなく働き方で設計するものです。そしていま毎日をなんとか回しているあなたは、もう十分すぎるほど頑張っています。
病棟以外の選択肢は病院を辞めても大丈夫/看護師の働き方9選にまとめています。あなたの分岐点のヒントになればう


コメント