「辞めたい。でも辞めて後悔したらどうしよう」
看護師の転職でいちばん怖いのはたぶんこれだと思います。
私は大学病院のICU・CCU・救急救命で12年働いたあとクリニックで2年、治験コーディネーター(CRC)として12年、そして今はケアマネとして働いています。3回働き方を変えました。
結論から言うと私は一度も後悔していません。 それどころか転職するたびに仕事が楽になっていきました。この記事ではなぜ後悔しなかったのか、そして後悔する人としない人の違いはどこにあるのかを正直に書きます。
私が後悔しなかった理由:「長く働く姿」がイメージできたから
振り返るとこれが一番大きかったと思います。その職場で長く働いている自分の姿が想像できたかどうか。
最初の職場のICUは本当につらかったです。仕事の内容も厳しく先輩も厳しかった。今考えても「よくやれたな」と思うくらいで、あそこで「10年後もこうしている自分」を想像するのは正直難しかったです。
でもクリニックも、CRCも、ケアマネも、「ここでなら続けられる」と思えました。実際CRCは12年続きましたし、ケアマネは主任ケアマネを取得するまで最低5年は働くと決めています。
転職先を選ぶときに給料や条件を比べるのは当然です。でもそれ以上に「5年後、10年後、ここで働いている自分を想像できるか」を自分に問いかけてみてください。想像できないならそこは長続きしません。
転職するたびに仕事は楽になっていった
これも正直に書きます。私は転職するたびに仕事が楽になっていきました。
特に治験に移ったときは「座る時間がある」これに本当にびっくりしたんです。病棟では座るのは記録のときくらいで、それが当たり前だと思っていました。
「収入が下がる」への本音
「でも収入が下がるんでしょ?」よく聞かれますが、私の実感としては思ったより下がっていません。
たしかにICU時代は夜勤手当と残業代で額面は多かったです。でもそれは心と体をすり減らして稼いだお金でした。
30代半ばになって私は考え方が変わりました。すり減りながら多く稼ぐより余裕をもって働いて自由な時間を確保する方がいい。そう思えたとき収入の数字は「下がった」ではなく「働き方と引き換えに調整した」ものになりました。
実際、私はケアマネとして正社員で採用されたあと、4か月後にパートに変更しました。自分の時間を確保するためです。収入は減りますが後悔はまったくありません。
私が本当に欲しかったのは「お金」ではなく「時間の自由」だった
誤解のないように書いておくと、私は給料が理由で看護師を辞めようと思ったことは一度もありません。看護師の給料は良かったからです。
それでも年齢が上がるにつれて働くこと自体が大変になっていきました。そして何より大きかったのは、家族との時間を優先させられないことでした。
もうひとつ、ずっと引っかかっていたことがあります。9時から17時まで仕事がなくても拘束されること。「仕事が終わっているのにそこにいなければいけない時間」に、だんだん耐えられなくなっていきました。
振り返ると私の転職はどれも「時間を取り戻す」方向に進んでいました。病院から治験に移ったときは残業が減り、休日の勉強会がなくなり、夜勤の回数も減りました。働き方を変えるたびに自分の時間が少しずつ戻ってきたのです。
正社員のような働き方でなくてもお金と自由の両方を手に入れる方法はないか。そう考えて行き着いた答えが自分で開業すること、自営業になることでした。
そしてケアマネへの転職はこの「事業を起こす」という目的のための選択です。正社員からパートに変えたのも収入を「下げた」のではなく自由な時間と開業準備のために自分で「調整した」ということです。
後悔する人・しない人の違いは、この3つだと思う
3回働き方を変えてきた私の結論です。後悔するかどうかを分けるのは辞める前の「考え方」だと思っています。
違い①:条件だけで選んだか「続けられるイメージ」で選んだか
給料・休み・通勤時間。条件はもちろん大事です。でも条件が良くても「ここで5年後も働いている自分」が想像できない職場は結局また辞めたくなります。
私がクリニックもCRCもケアマネも後悔しなかったのはどれも「ここでなら続けられる」と思えてから決めたからでした。想像できないうちは決めない。それだけで後悔の確率はかなり下がると思います。
違い②:「何のために働き方を変えるのか」を言葉にできているか
「今がつらいから」だけで辞めると次の職場で別のつらさに出会ったときに後悔します。
私の場合軸は「家族との時間」と「拘束されない働き方」でした。この軸が言葉になっていたから収入が変わっても「心と体をすり減らして稼ぐお金」と「自由な時間」を自分の意思で引き換えたと納得できたのです。
辞める前に「自分は何と引き換えに、何を得たいのか」を一度書き出してみてください。ここが曖昧なまま辞めると後悔の種になります。
違い③:「看護師を辞める」と考えるか「働き方を変える」と考えるか
私は3回転職しましたが看護師を辞めたと思ったことは一度もありません。クリニックもCRCもケアマネも看護師としての経験の上に成り立つ仕事でした。
「辞める=これまでの自分を捨てる」と考えると怖くなって当然です。そうではなく「経験を持って、次の場所に移る」。看護師の資格と経験は病棟の外でも思っている以上に通用します。
「辞めたい」と思ったらまずやってほしいこと
いきなり退職届を出す必要はありません。順番はこうです。
- 5年後・10年後、今の職場で働いている自分を想像してみる
- 想像できないならどんな働き方があるのかを知る(病棟以外の選択肢は思っている以上にあります)
- 「何と引き換えに、何を得たいのか」を言葉にする
- そのうえで求人を眺めてみる
選択肢を知るだけなら何も失いません。むしろ「いつでも変われる」とわかるだけで今の職場での気持ちも少し軽くなります。
まとめ:後悔しない転職は「逃げ」ではなく「選び直し」
- 後悔しない人は条件より「長く働く自分をイメージできるか」で選んでいる
- 「何と引き換えに何を得たいのか」という軸を辞める前に言葉にしている
- 看護師を辞めるのではなく、看護師の経験を持って働き方を変えるだけ
私の軸は「家族との時間」と「自由」でした。だから収入が変わっても後悔していませんし、今は開業・自営業という次の目標に向かっています。
辞めて後悔するかどうかは運ではありません。辞める前にどれだけ「自分の軸」を言葉にできたかで決まります。まずは病棟以外にどんな働き方があるのかを知るところから始めてみませんか。

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