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治験看護師(CRC)の仕事内容と1日の流れ

治験CRC
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治験の看護師って何をしているの?

私もCRCへ転職する前は、仕事内容を読んでも現場の様子がほとんどイメージできませんでした。

厚生労働省の職業情報提供サイトでは、CRCは治験が円滑に行われるように準備・調整・運営を支援する仕事と説明されています。

私は健康な成人を対象とする第Ⅰ相治験施設で、院内CRCとして12年間勤務しました。

この記事では私が実際に担当していた

  • スクリーニング外来
  • 入所
  • 投薬日
  • 試験開始前の準備

などをもとに、CRCの仕事内容と1日の流れをお伝えします。

未経験からCRCを目指す方法については「未経験でもCRCになれる?看護師から転職する方法」で詳しく紹介しています。

「CRCの仕事内容と1日の流れ」

私が働いた第Ⅰ相治験施設

まず前提として、この記事で紹介する仕事内容はすべてのCRCに共通するものではなく、私が勤務していた施設での経験になります。

治験は一般的に、第Ⅰ相、第Ⅱ相、第Ⅲ相という段階に分かれています。

第Ⅰ相試験では 健康成人を対象に薬の安全性や体内での動きを確認します。

第Ⅰ相施設の仕事は、大きく「スクリーニング外来」と「入所」に分かれます。

CRCの働き方は医療機関に直接雇用される院内CRCと、SMOに所属するCRCでも異なります。詳しくは「院内CRCとSMOの違い」で比較しています。

外来の仕事=スクリーニング業務

スクリーニングとは治験に参加できるかどうかを検査で確認することです。

私の病院では募集人数の約3倍の人数を募集していました。

n=20人が必要な試験なら、60人をスクリーニングするイメージです。

多い日は1日に4試験、最大20人。

5名の看護師で午前、午後、それぞれ2試験のスクリーニング作業を進めていました。

  • 問診票の確認——ここで選択・除外基準に抵触していたらその場でお帰りいただきます
  • 説明ビデオの視聴
  • 医師による同意説明・同意取得
  • 尿検査・心電図・血圧測定など
  • 医師の診察
  • 採血
  • 被験者管理室からの説明を受けて帰宅

シンプルに見えますが実は落とし穴だらけです。

検査の内容も順番もすべてプロトコール(治験実施計画書)で決まっています

心電図と血圧の前には安静時間が必要で、その長さも試験ごとに違います。

バイタルや心電図が基準値を1つでも外れるとその方は脱落です。

各検査や問診内容は治験別カルテに記載しますが、検査一つ一つに日付と時間、サインが必須で、ALCOA(アルコア)に準じて記載していきます。

タバコやコーヒーなどの嗜好品、普段飲んでいる薬のチェックも選択・除外基準に係るため厳しくみていきます。

入所中(病棟側)の仕事

第Ⅰ相治験施設で働くCRCの仕事内容を表したイラスト

入所は参加者の方が施設に泊まり込みます。(入所中の被験者さんの過ごし方は『治験被験者の1日』で詳しく紹介しています)

一番大変なのは投薬日。 通称PK日です。

特にジェネリック(GE)の試験は採血の回数がとても多く、投薬後は分刻みのスケジュールで採血が続きます。

採血の予定時刻を外すと逸脱になるため、事前にプロトコールを読み込んでおくことが必要になります。

治験では、測定機器に印字された時刻も重要です。

例えば予定時刻が10時00分で、許容時間が決められている場合、印字が9時59分になるだけで逸脱として扱われることがあります。

病棟ではほとんど気にしなかった1分の違いが、治験ではデータの信頼性に関わります。

一方、夜は基本的に寝当直です。

蓄尿がある試験では夜間のナースコール対応がありますが、病棟の夜勤とはまったく疲労度が違います。

このあたりは別記事「夜勤=つらい」は病棟だけ|治験コーディネーターの夜勤のリアルで詳しく書いています。

試験担当者の仕事

経験を積むと試験ごとの担当者を任されます。

  • 選択・除外基準のグレーな部分(基準値をどこまで「異常」とするか等)を製薬会社と事前に詰める
  • 検査に必要な物品の準備、タイムテーブル(TT)の作成
  • 当日に必要な看護師の人数の算出
  • 許容時間などプロトコールの読み込み
  • AE(有害事象)の報告
  • 書類をまとめる

プロトコール遵守と正確さ

CRCの仕事は プロトコールを読みそのとおりに治験を進めることが基本です。

プロトコールには、治験に参加できる人の条件、検査の順番、投薬方法、採血時間、安静時間、食事や飲み物の制限などが細かく決められています。

治験は、被験者さんの人権と安全を守りながら、データの信頼性を確保するためのGCPというルールに基づいて行われます。

分刻みで進む投薬日のタイムテーブルや、許容時間、記録の方法については「CRCの投薬日の仕事」で詳しく紹介しています。

CRCに向いている人

12年やってみて感じた向き不向きです。

  • 正確さ・几帳面さがある人:カルテの日付サイン、許容時間、安静時間。「決められたことを決められた通りにこなすこと」が命の世界です
  • 文書を読むのが苦にならない人:プロトコールの読み込みは必須です
  • 段取り好きな人:流れ作業を回す組み立ての面白さがあります
  • 急変対応の緊張感から離れたい人:相手は基本的に健康な方、命の最前線とは別の働き方です

逆に「患者さんのケアそのもの」が一番のやりがいだった人は少し物足りなく感じるかもしれません。

実際に転職して感じたギャップは『看護師からCRCに転職して後悔した?』で紹介しています。

まとめ

治験看護師(CRC)の仕事は、採血・バイタル測定・心電図といった看護技術と正確さ・段取り力で成り立つ仕事です。

ICUや救急で培った経験は検査値を見る目や異常への気づきとしてそのまま強みになりました。

病棟の外で看護師資格を活かして働きたい」そう思ったとき、治験は現実的で面白い選択肢のひとつです。

「給料や有給、残業などの条件は『CRCの給料と待遇の実際』にまとめています。

参考にした公的情報

  • 厚生労働省 職業情報提供サイト「治験コーディネーター」
  • 日本製薬工業協会「治験の3つのステップ」
  • PMDA「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」

この記事を書いた人
看護師・介護支援専門員
めぐみ

看護師・介護支援専門員。ICU・CCU・救急救命で12年、クリニックで2年、院内CRCとして12年勤務しました。現在は居宅介護支援事業所でケアマネジャーとして働いています。病棟以外の働き方や看護師の転職について、実体験をもとに発信しています。

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